相続放棄の流れを解説
被相続人(亡くなった方)に多額の借金などの負債がある場合、その負債を代わりに返済しなくて済む方法として「相続放棄」という手段があります。
この記事では、相続放棄とは何か、相続放棄の流れについてわかりやすく解説します。
相続放棄とは
相続放棄とは、財産のすべてを相続をせず、はじめから相続人ではなかったという扱いになります。
そのため、相続放棄をすると借金などのマイナスの財産を引き継がずに済む代わりに、現金や預貯金などプラスの財産も引き継げなくなります。
この手続きを選択する必要があるのは、明らかに負債が多い場合や、遺産相続争いに巻き込まれたくないときなどです。
相続放棄は、相続の開始を知った日から原則3か月以内に「申述」という手続きをしなければなりません。
相続放棄の流れ
相続放棄の手続きは、以下のような手順で進めます。
- 財産調査の実施
- 相続放棄に必要な書類の収集
- 相続放棄の申述書を作成し、相続放棄の申述を行う
- 相続放棄受理通知書の取得
それぞれについて確認していきます。
財産調査の実施
相続放棄をするかどうか判断するためには、財産調査が必要です。
相続放棄は原則、取り消しや撤回ができないため、あとから多額の財産が見つかり財産放棄しなければよかったということのないよう、保有財産をしっかり調査しなければなりません。
相続放棄に必要な書類の収集
相続放棄することを決めたら、家庭裁判所での申述に必要な戸籍謄本などの書類を集めます。
必要な書類は被相続人(亡くなった方)と申述人との関係性により異なるため、事前に確認してください。
参考サイト:最高裁判所|『相続の放棄の申述』
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
相続放棄の申述書を作成し、相続放棄の申述を行う
相続放棄申述書を作成します。
相続放棄申述書と必要な添付書類をあわせて、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出します。
提出には、収入印紙代800円が必要です。
相続放棄申述書と必要書類を家庭裁判所に提出すると、家庭裁判所から「照会書」が送付されます。
照会書が届いたら、記載されている内容に確認し、署名押印して返送してください。
相続放棄申述受理通知書の取得
家庭裁判所が相続放棄を受理すると、「相続放棄申述受理通知書」が送付されます。
相続放棄申述受理通知書を受け取ることで、相続放棄の手続きは終了です。
まとめ
相続放棄は、借金などの負債を引き継がないための重要な手続きで、相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所で申述を行う必要があります。
司法書士は、財産調査のサポートや申述書の作成を代行し、スムーズかつ確実に相続放棄の手続きを進められます。
相続放棄をすべきかどうかのアドバイスも含め、相続放棄についてはなるべく早い段階で司法書士に相談することをおすすめします。